離婚した元の夫が任意整理をしたからといって、あなたやお子さんに支払う養育費や慰謝料が減額されたり、免除されたりすることは一切ありません。
親は子どもの生活を守る義務があります。
離婚するときに養育の義務に基づいて負担する費用を養育費といい、子どもを育てる側に、育てない側が一定水準のお金を毎月支払う取り決めを行います。
父親が母親に養育費を送るケースが一般的ですが、養育費が債務整理の対象になることはありません。
慰謝料についても同様で、悪意による不法行為を賠償するための慰謝料の減額や免除も認められていません。
借金整理のなかで最も重いのが自己破産ですが、この自己破産であっても養育費や慰謝料は支払わなければいけないと決められているのです。
ましてや借金整理で最も負担が軽い任意整理の場合、養育費も慰謝料もこれまで通りに支払われるのは当然のことです。
任意整理は裁判所を介さない手続きであり、法的な拘束力がないため、理論的には養育費や慰謝料の減額について自由に交渉することが可能です。
しかし、実際には相手方が容易に減額や長期分割に同意することは稀であると考えられます。
養育費の場合、金額が最初に合意された時点以降、何らかの事情の変化(例:失業、収入の減少など)が生じた場合、養育費の減額を求めるために調停などの手続きを取る選択肢も存在します。
これは、子供のための財政的支援が適切に続けられるよう、状況に応じて適切な対応を取ることが重要だからです。
個人再生手続きが開始された時点で未払いの養育費は、再生手続きの対象となりますが、民事再生法第229条第3項に基づき、債権者(養育費を受け取る側)の同意がない場合、これを減額することは認められていません。
従って、滞納分の養育費は減額されることはありませんが、他の債務と同じく、基本的には3年間に分けて支払う形式となることが一般的です。
個人再生のプロセスでは、通常、全ての債権が公平に、最低返済金額の制約内で減額され、3年間で分割返済されることが原則です。
しかしながら、特定の債権については例外的に、再生手続きの影響を受けず、都度支払われるべきであるとされています。
これらの例外的な債権の一部として、民事再生法第121条において「共益債権」として特定されたものが存在します。
これは、再生手続きの一部としては取り扱われず、随時弁済が必要とされています。
養育費に関して、個人再生手続きが開始された「後」に生じる分は、この「共益債権」に該当します。
これは、養育費が子供の生活費として重要であることを考慮した結果であり、それゆえにこれらの費用は都度支払う必要があるのです。
慰謝料に関しても、民事再生法第229条の3項において、「1. 再生債務者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」および「2. 再生債務者が故意または重大な過失により人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)」は、債権者(慰謝料を受け取る人)の同意がない限り、減額できないとされています。
これは、故意に他人を傷つけた場合や重大な過失による交通事故などで人を怪我させた場合などの慰謝料が対象となります。
これらの慰謝料は減額されることはありませんが、他の債務と同様、基本的には3年間で分割して支払われることになります。
この規定は、故意または重大な過失による行為の影響を受けた者に対する保護を強化し、再生手続きが被害者の権利を侵害しないようにするためのものです。
破産法の第253条のただし書きの4号では、「ロ. 民法第760条(婚姻費用分担)に基づく婚姻に起因する費用の分担の義務」「ハ. 民法第766条(子の監護費用)に基づく子の監護に関する義務」が明示されています。
これにより、子供の養育費は、たとえ個人が破産手続きを行ったとしても、支払いの義務が免除されることはありません。
これは、子供の権利と福祉を保護し、親が経済的な困難に陥った場合でも、子供に対する責任を果たさせるための法的規定です。
この規定は、子供の生活の安定と保護を優先しています。
破産法の第253条のただし書きの2号では、「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」を、また3号では、「破産者が故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)」を指定しています。
これらの規定により、故意に他人に対して危害を加えた場合や、重大な過失による交通事故で人に怪我をさせた場合などに起因する慰謝料については、破産手続きを行ったとしても、支払い義務が免除されることはないことが確定されています。
これは、社会的な責任と公正を維持し、悪質な行為を行った者がその責任を逃れることを防止するための重要な法的措置です。
これにより、被害者の権利が保護され、加害者がその行為に対して適切な責任を負うことが確保されます。
任意整理で月々の返済負担が軽くなるはずですから、何とかお金を工面して送金するようにしてもうべきです。
ただ、任意整理をするほど経済的に苦しい場合、現実問題として養育費に回すお金を捻出できず、養育費や慰謝料の仕送りが滞る可能性も高いですね。
いくらお金を払いたくても、ない袖は振れませんよね。
どうしてもお金を払ってもらいたい場合は、家庭裁判所に申し出て、相手側に支払い勧告か、支払い命令を出してもらうことになります。
ただし支払い勧告には強制力がありませんし、支払い命令が出ても実際に支払われる例が少ないのも現状です。
養育費の支払いに関しては、相手側の給与を差し押さえるなどの強制執行を行うことも可能です。
こちらのほうが確実な方法ですが、相手が会社を辞めてしまうと回収できなくなるなどのデメリットもあります。
こちら側の実情と、相手側の経済状況や性格なども考えあわせて、慎重に対処しないと思わぬトラブル発展することもあります。
子どもの父親が任意整理を理由に、養育費や慰謝料の支払いを断ってきたら、まずは弁護士に相談しましょう。
代表司法書士 姜 正幸
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