任意整理を希望しても、なかには任意整理ができないケースや、まれに和解に至らないケースもあります。
任意整理は主に、過払い金と呼ばれる法定金利以上で返済してきた金利の返還を請求し、過払い金を元本の返済に充てて借金の返済負担を軽くするのが特徴です。
このほかにも任意整理以降の利息の減額や免除によって、月々の返済額を減らす交渉を行いますが、過払い金が少ないと任意整理を行っても月々の返済額があまり減りません。
法定金利内で借りており、債権者が1〜2社しかないと任意整理をしても元本の減額が見込めません。
こうなると弁護士へ支払う減額報酬が出ない上に、任意整理の効果が期待できませんから、弁護士が依頼を断ることが多いのです。
また任意整理をしたからといって、借金返済から免れるわけではありません。
任意整理の交渉で和解が成立したら、3〜5年の期間、毎月コツコツと返済しなければいけません。
このため長期的に安定した収入が見込めない無職の人も、依頼を断られるケースが大半です。
たとえ毎月の収入があっても、期間内に返済できる見込みがなければ、任意整理ができません。
例えば毎月2万円ずつなら返済できる場合、5年間(60回)かけて返済できるお金は、2万円×60回で、合計120万円です。
借金の残高が300万円なら、毎月5万円を返済しなければ完済できません。
月々5万円が確保できない人は、任意整理を断られる可能性が非常に高く、個人再生か自己破産などの方法を弁護士と検討することになります。
また任意整理で交渉を行っても、相手側がこちらの交渉内容に不満がある場合、和解に至らないケースもあります。
大半の消費者金融、クレジットカード会社、銀行などは和解を受け入れるというスタンスで交渉に応じてきます。
ただし借入期間が極端に短いなどの理由に和解に応じないケースや、利息の減額や免除についてはまったく妥協せず交渉に応じないという貸金業者もあります。
貸金業法が改正されて以降、多くの消費者金融が大打撃を受け、経営統合や廃業に追い込まれました。
和解に応じたくても資金的余裕がないために、強硬な態度に出る貸金業者もあるのです。
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